<概要>

ISO22000(食品安全マネジメントシステム)にISO/TS22002-1(食品製造の為の一般仕様書)を加えた食品安全規格の新スキームです。
英語では、Food Safety System CertificationでFSSCと略されています。
従来の食品安全マネジメントシステムの要求事項を定めた国際規格ISO22000:2005はPRP(前提条件プログラム)の要求事項が抽象的な為、GFSI(グローバル食品安全イニシアティブ)による承認はされませんでした。
そこで、そのギャップを埋めるためにBSI(英国規格協会)は2008年にPAS220:2008を発行し、FFSCがISO22000と組み合わせFSSC22000を策定・発行しました(PAS220は廃止され、ISO/TS22002-1に置き換えられました)。
GFSIは,2000年にベルギーの非営利団体として設立され、(1) 食品安全システムの継続的改善、(2) 食品サプライチェーンにおける効率性促進、(3) 消費者へのより安全な食品を提供できる保証体制の推進を目的としています。GFSIは世界的組織になっており、大手食品小売業(ウォルマート、イオン、マクドナルド等)や食品製造業を中心に400社が参加しています。

< FSSC22000審査登録制度>

組織の食品安全マネジメントシステムとISO/TS22002-1を、第三者である審査登録機関が中立で公正な立場から審査し、登録・公表する仕組みを審査登録と呼びます。
審査登録制度は、国の許認可とは異なり、民間の任意の制度です。審査登録制度は世界各国で作用されており、登録組織数は年々増え続けています。
第三者から登録されたことを公表できるのが、審査登録制度の特徴です。これによって、組織は食品安全にしっかり取り組んでいる組織であることを内外にアピールできるようになります。
特にFSSC22000はISO22000を更に進化させ、グローバル企業によるお墨付きをもらっている要求事項の為、顧客や消費者に非常に高い信用・信頼をもたらします。


<FSSC22000はなぜ必要か?>

近年、食中毒、BSE問題、偽装表示、鳥インフルエンザ、O-157など食の安全を脅かす事件が続発しています。その為、消費者の食の安全を求める動きは日増しに高まってきています。これらの問題を克服する為に食の安全に特化した規格であるISO22000が注目されるようになってきました。ISO22000はフードチェーンといった発想で生産〜加工〜輸送〜販売、包装資材など食品に関する全ての分野の食品安全を対象として考えますが、FSSC22000は食品の加工に限っての規格で、食品工場を対象としたものになっています。そして、FSSC22000のISO/TS22002-1にはISO22000でのPRP要求事項が詳細に要求され、更に、手直し、製品リコール、倉庫管理、製品情報、食品防御に関する要求事項が追加されています。食品安全のハザードとなり得る内的要因はもちろんのこと、外的要因に関してもきっちり管理することで、食品安全のリスクを限りなく減少させるシステムの為、注目を浴びています。